管理監督者に期待される5つのこと

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コンサルタントの生産管理コラム vol.1

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コンサルタントの生産管理コラム vol.1

 現役コンサルタントのコラムです。今回は、「管理監督者」の期待役割についてご紹介します。

 製造部門の管理・監督者は、人を預かり組織を動かして製造の目的であるQCDSEを向上させていく方々です。
まさに「製造現場の経営者」といっても過言ではないでしょう。製造部門の部下・メンバーを最大限に活かせるのもこの「経営者」次第です。そのため、現場の知識・状態の把握はさることながら、管理面の知識を持ち実践し、課や係やチームをコツコツと高いレベルにリードしていくことが求められています。

 実際に最も期待されていることは、つぎのとおり5つあります。これらを管理・監督者が率先垂範で行うことにより、より強い現場と人をつくり、競争力を生むことができると確信しています。

管理監督者に期待される5つのこと

  1. ありたい現場・組織のビジョンと方針の設定と達成

  2. 日々および月々の目標達成

  3. 標準の設定と継続的改善

  4. 人材育成

  5. 部下・メンバーが働きやすい環境づくり

1. ありたい現場・組織のビジョンと方針の設定と達成 

 皆さんが管理・監督している現場は複数の人間で構成される「組織」となっています。その組織を一つにまとめ、強い組織にしていくためには、管理・監督者が自ら「ありたい現場や組織のビジョン」の設定や、年度や中期計画という単位での方針の設定が欠かせません。その役割を担っているのが管理・監督者です。
 
 これらの目標と施策を決めたうえで率先垂範していくことが、部下・メンバーから慕われる存在になり、重要な現場経営者の役割でもあるのです。 

2. 日々および月々の目標達成

 つぎに、日常業務における目標達成について述べますが、生産業務は日々の目標達成の積み上げで業績を達成できます。目標は日々の生産量の達成に加え、品質(Q)、コスト(C )、デリバリー(D)、安全(S)、環境(E)などがあり、日々達成するための管理を行うことと達成しなかった場合のすばやい打ち手が必要になります。

 また、月次というレベルでは前述のQCDSEの総括に加え、改善活動や人材育成などの目標達成と施策実践が重要になってきます。

3. 標準の設定と継続的改善

 生産において品質のバラツキがなく、安定的にモノをつくっていくためには、「標準」を設定し、「標準」を守ることが欠かせません。この標準を守ることは意外に大変なことです。また、「凡事徹底」という言葉がありますが、この意味は「あたり前のことを誰もが真似をできないぐらい徹底して行う」ということです。地味なことですが、標準にはこの精神が大切です。

 一方で標準を設定しても、長きにわたり同じ作業や業務を行うだけではいけません。改善も行っていくことが競争力に繋がります。現在の作業・業務の問題を部下・メンバーに抽出させ、改善を進めていくこと(=標準を改訂すること)が重要であり、強い現場にも繋がります。

4. 人材育成

 管理者は監督者の管理レベルをあげることや監督者が部下・メンバーを育成していることへのフォローが求められます。監督者は部下の育成、また信頼と協調性があるあたたかいチームづくりが必要です。「現場のレベルは人材のレベル」ですので、人材のレベルを高め現場のQCDの競争力も高めていくことが大切です。

 そのためには、「意識」「知識」「知恵」の3つの育成が必要です。意識とは役割認識や目標達成マインド、モチベーション・責任感など、知識とは生産マイスターのQCDSEなど、知恵とはそれらを活用して考え抜き改善していくことです。

5. 部下・メンバーが働きやすい環境づくり

 最後に、働きやすい環境づくりが必要です。部下・メンバーが自律的に動ける人材になることややりがいある業務、そして働きやすい職場にするためには、「仕組み」や「風土」づくり、また、課・部門間の問題や「仕組み」を解決していくことが管理・監督者として求められます。

コンサルタントの石田

石田 秀夫
(いしだ ひでお)

株式会社日本能率協会コンサルティング
生産エンジニアリング革新センターセンター長
シニア・コンサルタント
標準時間設定MOSTインストラクター

大手自動車メーカーに入社し、エンジニアとして実務を経験。
1. 国内外の工場・ライン及び設備計画・新商品量産化計画及び立上げ(計画主査ライン最優秀賞他社内表彰多数)
2. 生産技術開発(量産化/自動化技術開発:国内外特許取得多数)
3. その他 VA/VE、生産設計、品質改善、現場改善、全社改革プロジェクト等に従事

株式会社日本能率協会コンサルティング入社後、生産部門及び開発設計部門のシームレス な収益改善・体質改善活動を主に企業支援を行う。
「モノづくり」を広くテーマを捉えトータル的なマネジメント改革に取組んでいる。また、事業戦略・商品戦略・技術戦略・知財戦略を組合せた「マネできないものづくり戦略」を研究・普及中である。
近年は、デジタルファクトリーや、インダストリー4.0の研究、コンサルティングも行っている。業界としては自動車・自動車部品・電気機器・半導体業界等の製造業を主に活動中である。

生産マイスター®は、上記のような管理・監督者に必要な原理原則を「役割」、「コスト」、「品質」、「納期」、「安全・環境」にわけて、それぞれ学べるように構成されている教育プログラムです。

製造部門の階層別教育プログラムとして、約500社にご導入頂いております。

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