生産管理リーダーに求められる納期・安全・環境意識

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3級(4) リーダーのための生産管理、安全・環境管理

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3級(4) リーダーのための生産管理、安全・環境管理

3級(4)「リーダーのための生産管理、安全・環境管理」

ここでは、リーダーとして身につけておくべき「納期」「安全」「環境」スタンダード・マインドについて学習します。

まず、職場に示される生産計画が、どのように立案され、大日程から小日程まで細分化されるかについて学習し、生産計画全体への理解を深めます。

つぎに、作業計画どおりに作業を進めていくために必要な準備、指示・指導の方法、問題処理の基本について学習します。製品の「コスト・品質・納期」は、作業の瞬間に決まるといわれますが、前準備や後処理およびそれらの管理も同じ比重を占めていることを理解しておきましょう。

また、安全管理では、安全に関するリーダーの役割、ゼロ災運動の進め方、災害や事故の再発防止について学んでいきます。

さらに、環境管理では、工場で日常的に行っている環境保全につながることを学んでいきます。

1. 生産形態を決める

工場によって製造する製品の種類・数量・大きさやお客さまの要求するリードタイムが異なり、生産形態が異なってきます。生産形態とは、受注生産・見込み生産という製品仕様や生産開始タイミングと在庫のもち方の区分や、連続生産・個別生産という生産の流し方の区分を指しています。

現場の特性に応じた生産形態をとり、より効率的な製造をめざしましょう。

1-1. 生産形態を決めるポイント

受注生産とは、顧客からの注文を受けてから生産を開始し、出荷する生産形態です。見込み生産とは、受注を受ける前に先行して生産して在庫を保有し、顧客から受注を受けて出荷する生産形態です。

種類は少なく多くの量を生産すること少品種多量生産といい、一般的に連続生産(少量のロット生産)を行います。製品の種類が多く少ない量を生産することを多品種少量生産といい、一般的に個別生産を行います。そして、中品種中量生産では、ロット生産が主に行われます。

連続生産とは、同じ仕事を繰り返し、同じものを連続して生産する方式です。個別生産とは、個々の注文に応じてそのつど仕事を流す方式です。ロット生産とは、一定期間ある製品をまとめて流し、しばらくして切替を行い、別の製品を流す方式です。

1-2. 生産形態の応用例

セル生産とは、工程分割単位を大きくして編成ロスの最小化をねらいとしたもので、1人(場合により数名)で製品を生産完了する方式です。

トヨタ生産方式では、付加価値を生み出さない作業を7つのムダと定義しています。

  1. 作りすぎのムダ
  2. 手待ちのムダ
  3. 運搬のムダ
  4. 加工そのもののムダ
  5. 在庫のムダ
  6. 動作のムダ
  7. 不良のムダ

必要なものを、必要なときに、必要な量だけ作ることをジャスト・イン・タイムといいます。その手段として「かんばん」を用いて後工程から前工程に引取り時期・量・方法・順序を指示するやり方をかんばん方式といいます。

生産管理に役立つ実践問題

以下の分は、A.連続生産 B.個別生産 C.ロット生産のうち、どの特性を表しているかを答えましょう。

①生産数はピッチタイムで決まる。
②製品仕様は受注ごとに異なる。
③製品の在庫をもつ。
④部品や製品の在庫をもつ。
⑤在庫はもたない。
⑥流れ作業である。
⑦ロット単位で工程間移動する。
⑧数量は受注ごとに異なる。

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2. 生産計画のつくり方

企業が限られた資金のなかで最大の利益を上げるためには、お客さまに品質・コスト・納期を満足していただかなければなりません。生産計画では、材料・設備・人などの資源をどのように投入するのか、生産手順や生産を実行する日程、生産するための設備や人の割り振りを決めます。計画された数量・納期という目標に向かって現場は動きます。

ここでは、計画がどうつくられるのか、現場は何を認識・理解していなければならないのか、ということについて学習しましょう。

2-1. 職場の実態を科学的につかむ

生産を行うということは、人や設備、材料を有効に用いて、製品を高い生産性で製造するとこです。そのためには、顧客から求められている製品の品質、コスト、納期を確実に達成することが必要です。

2-2. 段階的に生産計画を立案する

大日程計画とは、生産の準備・手配のために、原則、半年・1年を対象都とし、設備投資、要員確保、前倒し生産など長期的な展望を見すえる目的でつくられます。

中日程計画とは、翌月~その先3ヶ月を対象とし、現状の売上・在庫・工程進捗を加味して、各製品や部品をいつどれだけ生産するかを決定する目的でつくられ、大日程計画を週や日単位の部門別計画へ具体化したものです。

小日程計画とは、週または旬単位を対象とし、中日程計画をさらに細かくして各作業の着手・完了タイミングまでが決められるもので、作業者・設備別の詳細はスケジュールが明確にされます。

2-3. 部品の必要数を明確にする(所要量展開)

製品に必要な部品・材料の数(量)を定義したものを部品構成表(BOM:Bill of Matenials)といいます。発注手配量を決めるためには、正味所要量=総所要量-(手持ち在庫数+手配ずみ数)を計算し、さらに歩留りやロットを考慮する必要があります。

資材所要量計画(MRP:Material Requirements Planning)とは、新製品の生産計画に合わせて、それに必要な部品や構成品の所要量を計算し、新製品の生産日程に間に合うように、部品・構成品の生産日程や調達日数を作成する計画システムです。

2-4. 生産計画の立て方

計画を立てる際には、負荷調整が必要となります。負荷量が生産能力を超えた場合には、稼働時間を増やしたり、他部門からの応援で生産能力を増やしたり、仕事を外注に移したり、急ぎでないものを先送りしたりと、負荷を減らす必要があります。

2-5. 計画や作業の標準を立てる

計画を立てるためには、計画標準・作業手順・生産能力の理解を深めなければなりません。

・作業計画の標準
-工程標準(作業工程を標準化したもの)
-基準日程(材料到着から次工程までの生産期間)
-負荷標準(加工時間)
・作業手順の理解
・生産能力の理解
-人員能力と人的生産能力
-機械能力(有効稼働時間)
-場所能力(作業や在庫に使える広さ)

2-6. 職場に合った生産目標を設定する

生産目標の設定では、出来高・納期・品質・コストについて検討します。計画策定ではつぎの点を考慮します。
・実行可能な計画であるか。
・計画の基礎となっている各種の標準は現実と一致しているか。
・努力分は加味されているか。
・材料の準備は完璧か。

生産管理に役立つ実践問題

1_計画標準のなかで、特に作業計画に必要な標準類を、3つ挙げてみましょう。

2_以下の条件のときの人的生産能力と機械能力を計算してみましょう。

(条件)
在籍人員20人、全員の技能レベル1、機械台数8台、稼働日数20日、出勤率95%、機械稼働率60%、1日当たり8時間稼働
①人的生産能力 [人・時間]
②機械能力 [台・時間]

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3. 生産統制のノウハウ

作業計画どおりに作業を進めていくためには、用意周到な準備を行ったうえで、作業途中でのチェックや対策・調整をとることが必要となります。製品の「品質・コスト・納期」は、作業の瞬間だけでなく、その全準備や後処理、それらの管理によって決まってきます。 一般的に実作業に比べて軽く見られがちな部分について、その重要性を再確認していきましょう。

3-1. 生産計画から製作手配へ

作業分配を上手に行って進度管理を適切に行うことが、職場長や現場のグループリーダーの重要な任務です。作業分配とは、作業者一人ひとりに作業を割付け(分配)することです。

作業分配を行うにあたっては、つぎのような準備や環境整備が必要です。

  1. 整理・整頓を確実にする。
  2. 現品管理を徹底して行う。
  3. 治工具管理も整備しておく。
  4. 事前の準備・確認事項を確実に行う。
    ・今日の仕事の確認
    ・材料や道具の確認
    ・図面や作業手順書の準備
    ・設備や加工場所の確認

3-2. 指示・指導を徹底させる

作業の指示では、作業者のことをよく知り、愛情や熱意をもって日常接し、作業の前日に翌日の作業指示をします。
・休みや残業の可否を早めにつかむ。
・技能レベルや希望する仕事をつかむ。
・目標時間をもたせたりしながら向上心を育む。

3-3. 実績のとらえ方、活かし方

実績の確認では、まず、正確に、タイミングよく、確実につかみ、報告します。実績を確認した後は、必ず進度とのチェックを行って進度を評価し、適切な処理を行います。

3-4. 問題を上手に処理する方法

計画と実績の差は、必ずといっていいほど出るので、この差の発生した真の原因をつかみ、恒久的な対策を打つことが必要です。

生産管理に役立つ実践問題

1. 下記の語句について説明してみましょう。
①整理とは
②整頓とは

2. 現品管理の代表的な手法を5つ述べてみましょう。

3. 実績を管理するにはインプットとアウトプットが必要ですが、それぞれの中身の例を挙げてみましょう。
①インプット
②アウトプット

4. 進度チェックを行う代表的な方法を3つ述べてみましょう。

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4. 安全管理におけるリーダーの役割

職場のリーダーは、品質・コスト・納期以外にも、安全に対して責任を負わなければなりません。

現代の安全管理では、事故が発生した後の対策(事後対応型)ではなく、日常の作業のなかで危険を予知(事前余地型)し、効果的な対策を打つことが期待されています。

ゼロ災害を目標に、全員参加での取組みとして何をすればいいのか、また事故が発生した場合の対応と再発防止に向けた対策を立案するうえでの重要なポイントを学習していきましょう。

4-1. 安全管理におけるリーダーの役割

安全は予防が第一です。

取り返しのつかない災害や事故が起こってしまってから、いくら対策をとっても、失ったものは戻ってきません。「災害や事故が起こっていないからいい」というのではなく、ふだんから職場の危険に目を光らせ、対策をとっていくことが大切です。

4-2. ゼロ災運動と管理手法

災害や事故を防ぐためには、異常に気づくことが大切です。

ふだんからKYK(危険予知活動)やKYT(危険予知トレーニング)に取り組み、危険に対する感受性を高める工夫や努力を怠らないようにしましょう。また、異常な状態は目で見える形で現れるとは限らないため、五官を総動員して以上を察知していきましょう。

災害や事故が起こったとき、運よく被害が小さなものですんだ場合でも、危機意識をもつことが大切です。

重大災害も、微小災害や無災害と同じ原因から引き起こされることをよく心に留めておき、ヒヤリとした経験を気づきとして活かし、対策を講じることを忘れないでください。

4-3. 災害・事故の再発防止

「安全は職場のみなで守るもの」として、推進していきましょう。

職場はリーダーの肩にかかっていますが、安全はリーダー1人では守ることができません。職場全員を引っ張っていけるように、話合いや教育に取り組んでいくことが大切です。

生産管理に役立つ実践問題

1. 安全管理におけるリーダーの役割を4つ挙げてみましょう。

2. なぜなぜ分析を行ううえで、気をつける重要なポイントを2つ挙げてみましょう。

3. 改善活動を推進するうえでは、PDCAサイクルを回すことが重要です。それぞれのPDCAとは何をさすか、またその意味もあわせて答えてみましょう。

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5. 環境保全活動と改善活動の果たす役割

工場で使用したり排出する環境負荷物質には、いろいろなものがあります。排水や排ガスの監視、危険物や化学物質の管理、廃棄物の分別、省エネなど、日常的に行っている環境保全活動について考えてみましょう。

環境保全活動は、工場の生産性向上やコスト削減の改善活動とは別の行動ではありません。事業活動そのものを改善することが環境への負荷を減らすことになるということを学び、より積極的に工場の改善を進めていいきましょう。

5-1. 身近な環境保全活動

工場から排出される環境負荷物質(排水・排ガス・廃棄物)や工場内で使用する化学物質やエネルギー量は、管理し削減していかなければなりません。

法令で排出や取扱いが規制されているものもあります。そのために、排出物の濃度などの測定、化学物質などの適正管理、廃棄物の分別、省エネ活動などを実施しています。

地球環境に配慮し近隣地域を汚染しないように、決められた手順を守って活動しましょう。

5-2. 改善活動と環境保全活動

電気のスイッチをこまめに切ったり、コピー用紙の裏紙使用を推奨したり、ごみの分別をするなど、環境に配慮していることがわかりやすい活動をすることだけが、環境への取組みではありません。

工場での生産活動では、利益を得るために、投入資源(原料・エネルギー)を減らし、早くものを作り(リードタイムの短縮・設備稼働率の向上)、不良を低減する(廃棄物の低減・不良品を作るのにかかる資源や時間のムダをなくす)改善活動を弛まなく実践しています。

そうした改善活動そのものが、資源のムダをなくし、エネルギー消費量を削減し、廃棄物を少なくする重要な環境化活動につながっています。

生産管理に役立つ実践問題

以下の設問に答えてみましょう。

①工場からの排水を河川などの公共用水域に排水する場合、適用される法律は何ですか。

②メーカーが排出する化学物質の形状、該当法規制、取扱いの注意、緊急時の対応方法などが記載されている文書を何といいますか。

③廃棄物の処理について、その頭文字から「3R」とよばれている3つの施策は何でしょうか。

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