職場の納期管理と安全・環境管理を学ぶ

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ベーシック級(3)職場の納期管理と安全・環境管理

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ベーシック級(3)職場の納期管理と安全・環境管理

ベーシック級(3)「職場の納期管理と安全・環境管理」

生産した製品を買ってもらうためには、他の会社の製品に負けない競争力をもつことが必要です。競争力は、性能・品質など機能面での競争力と、価格・納期・デザインなどの競争力に分けて考えることができます。

価格競争力をつけるには、製造原価や販売諸費用を安くします。また、納期競争力は、約束した納期を守ること、短納期で製品を作ることに分けられます。

どうすれば約束した納期を守ることができるか、どうすれば生産期間を短くすることができるかとういことについておさらいしておきましょう。

ケガや事故がない安全な職場づくりは、製造現場で働く私たちにとって一番大切なことです。さらに、企業の一員として社会責任を意識しながら環境問題に取り組むことも求められています。どのような心掛けで日々の仕事に取り組めばよいのかについても、これを機会に見直していきましょう。

1. まず納期を守ろう

私たちが手にする製品は、たくさんの部品を組み立てたものです。材料や部品を集めて完成品にするには、材料や部品を調達する人、材料を加工して部品を作る人、そして部品を組み立てて製品に仕上げる人たちの協力が欠かせません。

多くの人々が協力し合って製品を完成させるには、お互いの作業を円滑に結びつける工程上の約束、つまり計画が必要です。

計画は、お客さまの要求納期を満足するように立てます。納期は、お客さまと工場を結ぶ「かなめ」です。納期のない仕事はありません。

このような計画や納期の必要性と重要性についてもういちどおさらいしておきましょう。

1-1. 計画はお客さまと工場を結ぶ「かなめ」

計画は、目的と時期・時刻(納期)、費用をはっきり決めて立てる必要があります。

職場の計画を立てるには「計画標準資料」が必要です。計画標準資料にはつぎのような種類があります。

図面、部品構成表…その製品がどのような原材料・部品から構成されているかを表すもの
部品工程情報…その部品はどのような工程で作られるのか、その作業時間はどれくらいかかるのか、原価はいくらなどを整理したもの

職場の計画は、お客さまの納期満足度を高めるために立てます。

計画の役割は、お客さまがほしいと思うときに、タイミング良く製品をお届けすることです。

お客さまの要求納期に合わせて組立ができるように、正しい部品構成表と工程情報を使って、部品が整然と組立に集まるように計画を立てることが大切です。

1-2. 納期を守るには

納期に合わせて完成させるためには、お客さまの要求する納期から逆算して、各調理工程の納期を計画し、何時(日)までに材料を用意すべきかをきちんと決めておくことが大切です。

1-3. 大切な生産計画

生産計画や作業計画を立てるには、正しい計画標準を整備することが大切です。

計画標準資料とは、計画標準を作業の種類別に作成し、1冊にまとめたもののことをいいます。

計画標準資料は、製品別あるいは工程別に、きちんと整理することが大切です。

製品別計画から、工程別、設備別に分けた職場別(機能別)計画に整理し直すことが求められています。

1-4. 作業計画は現場の時刻表

人の手待ちなく仕事ができるようにすると同時に、高価な機械設備を遊ばせないように、作業を計画することが求められています。

職場別(機能別)計画への展開とは、製品別計画を、それを作る人や設備ごとの計画に変換することです。

それぞれの「納期」をきちんと計画し、その計画をみんなで守ることが、納期競争力(信頼性)を高める第一歩になります。

分業による協業とは、1つの部品や製品を作るのに、協力し合うことです。

生産管理に役立つ実践問題

つぎの文章の【 】にあてはまる適切な語句を答えましょう。

・職場の作業計画を立てるには、正しい【①】を使って、部品が整然と組立に集まるようにすることが大切である。

・製品別計画は、それを作る工程別や設備別に分けた計画(【②】)に整理し直すことが必要である。

・高価な機械を有効に使わないと、機械の【③】が低下するだけでなく、製品の【④】がその分高くなる。

・人が【⑤】なく仕事できるようにすると同時に、高価な機械設備を選ばせないように、【⑥】することが要求される。

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2. 事前準備で納期を守る

「納期」は、お客さまと企業の生産・販売を結ぶ「かなめ」となるものです。お客さまは、注文した製品が約束どおりの納期に納入されることを心待ちにしています。

遠くのお客さまを訪問する約束をしたら、時刻表を調べて、訪問日程をきちんと計画するべきです。出張することになれば、列車の指定券をとり、ホテルの予約をします。約束の時間に遅れたりすることは、信頼を失う結果になります。

約束した納期を守るために必要な計画の重要性と、事前準備を確実に行うことの大切さについて理解を深めていきましょう。

2-1. 作業計画ができるまで

製品別計画とは、つぎの2つの作業をあわせもったものです。

① 計画標準資料から、その製品の資料を抜き出し、生産計画量に必要な材料・部品の所要量を計算します。

② 完成時刻(日)を納期に合わせ、製品別の標準日程計画を作ります。

製品別計画は、「仕事の順序」と「重なり」を調整し、職場別計画(機能別計画)に展開する必要があります。

私たちの職場のリーダーは、作業指示書と、加工・組立図をもとに、職場の作業計画を立てています。

作業標準は、私たちの会社の技能水準・品質条件を前提として決められており、事前に十分に検討し、迷うことなく仕事が進められるようにしておくことが大切です。

作業指示された仕事を計画どおりに実行するには、事前検討が決め手です。これによって、ムダ・ムラ・ムリのない、良い仕事ができます。

2-2. 計画を立てる難しさ

仕込みをすることは、仕事量を能力水準に近づけたり、時間を前後にずらしたりする役割をもっています。

最適な計画を作成するために、仕事量の少ない部門から多い部門へと人を移動したり、仕事量そのものの移動を行って負荷の全体的な平準化を図っています。

季節変動とは、仕事量が時期や季節によって大きく変動することです。

指定された納期どおりに仕事を終わらせるためには、今日の仕事は今日中に片づけることが大切です。

お客さまの要求を具体的な「製品」にするためには、職場のリーダーを中心とする全員の協力と努力が必要です。

作業計画や指示をシステム化することは、計画作成担当者の手助けとなり、計画作業の効率化にもつながります。

生産管理に役立つ実践問題

1. つぎの文章の【 】に適切な語句をあてはめましょう。

作業計画は、職場の【①】が作る【②】である。

仕込みは、負荷と【③】を調整する役割を果たすが、お客さまに買ってもらうまでの【④】が長くなり、⑤が起きると大きな損失をこうむることもある。

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3. 作業の瞬間で決まる品質・納期・コスト

「品質・納期・コスト」のそれぞれは、バラバラに決まるのではなく、私たちが生産工程で仕事をする一瞬一瞬で決まります。

品質の良い会社・職場は、納期もコスト(作業時間)も、計画に従って管理することによって、全員の努力で良い状態を維持しようとしています。品質だけが良くて、あとはいい加減ということはありません。全体としてみると、品質・納期・コストはそれぞれが関係し合っており、それらは、仕事をするその一瞬で決まるのです。

品質・納期・コストを計画どおりに維持するために欠かせない、作業準備、仕事の順序、途中での進度チェック、進み遅れ対策についてもういちど復習しておきましょう。

3-1. 材料・治工具の準備

仕事を効率良く進めるためのポイントは、つぎの3点です。
・仕事の手順を十分検討する。
・作業計画をきちんと立てる。
・それに必要な材料・治工具を事前に準備する。

治工具や設備をいつでも、最良の状態で使えるように、きちんと手入れをしておくことが、仕事をスムーズに進めるポイントです。

所定の品質と精度をもった材料・治工具・計測具を準備することで、多くの突発的なトラブルを回避することができます。

3-2. 仕事の順番を守ろう

計画した優先順位どおりに仕事を進めることが大切です。また、作業標準書に指定された手順どおりに作業することも大切です。

仕事の優先順位は、その職場や工程に対して指示された「日程=工程納期」です。

3-3. 仕事の進度をつかもう

納期を守るには、つぎの2点を測定する必要があります。
・どこまで加工したか(仕事の進み具合)。
・時間はいくらかかったか(実績時間)。

3-4. 計画と進み具合の確認

仕事を計画どおり進めるには、つぎの2点を実行することが大切です。
・仕事の区切りごとに「計画と実績の差」を正しく把握すること。
・「差」を解消する対策を考え、それを実行すること。
・計画と実績の差を常に明確につかむには、計画表にこまめに実績値を「消し込む」ことです。こまめに計画表を消し込めば、差が広がらないうちに回復させることができます。

めまぐるしい需要の変化に対応していかなければならない現場において、素早く正確な情報を詳細にとるためにITを用いる企業が多くなっています。

生産管理に役立つ実践問題

つぎの文章の【 】にあてはまる適切な語句を答えましょう。

仕事を効率よく進めるポイントは、【①】を十分検討する、【②】をきちんと立てる、必要な【③】・【④】を事前に準備することである。
職場で発生するトラブルのほとんどは、【⑤】(⑥・⑦を含む)が足りないために起きているといえる。
作業計画で指示された【⑧】を変えると、前後工程や職場を混乱させ、製品の【⑨】に悪い影響を与える。

仕事を【⑩】どおり進めるには、仕事の区切りごとに「【⑪】と【⑫】」の差を正しく把握すること、「差」を解消する対策を考え、それを実行することが大切である。

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4. 職場の安全管理

「絶対に安全な環境」をつくり出すことは、ほぼ不可能だといえます。一方で、ものづくり職場で働く私たちは、常に危険と隣り合わせの状態です。

安全とは何か、どのようなことに留意すれば危険を回避できるのかについて復習し、常に安全を念頭においた仕事ができるようになりましょう。

4-1. 安全管理とは

安全とは、危険でない状態のことを表しています。

私たちのまわりには、常になんらかの形で危険な状態が存在しています。

このような「非安全な状態」になるうる原因を「危険源」といいます。

安全管理とは、不安な日常のなかで、なるげくケガや事故が起こらないようにする活動のことです。あるいは、ケガや事故といった労働災害を未然に防ぐとともに、発生してしまった災害に対して最善の対策をほどこす管理活動のことでもあります。

安全な状態を維持し、不安をとり除くことは、品質も生産性も向上させる重要な要件です。

4-2. 安全管理の基本

ハインリッヒの法則とは、1件の重大災害が発生する背景には、29件の微小災害と、300件のヒヤリ・ハットがあるというものです。

災害を未然に防ぐには、不安全な状態や行動を認識して、無災害の段階で地道に対策を考え、実行していくことが大切です。

安全管理のあるべき姿とは、つぎのような要件が満たされている状態のことをいいます。
①経営のトップ自らが率先してお手本を示し、安全管理に取り組んでいる。
②安全管理の取組みのしくみがある。
③安全に関する各管理層の責任が明確にされている。
④相互に確実で密接なコミュニケーションがとられている。
⑤安全管理に対する厳格な内部監査が行われている。

4-3. 安全管理に関する法規制

労働安全衛生法とは、労働災害を防止し、安全で快適な職場環境をつくるための法律です。

労働安全衛生法では、会社において、つぎの3つの要件を満たすことを求めています。
①危害を防止するための基準を明確化すること。
②責任体制を明確化すること。
③計画的な災害への対策を推進すること。

安全とは、発生するかもしれない災害を防止することを意味します。その目的は、通常の作業状態から発生する労働災害を防止することにあります。

衛生とは、必ず発生する災害を防止することを意味します。その目的は、通常の作業状態から発生する労働災害を防止することにあります。

安全衛生を管理する体制を構築するためには、作業者が注意して毎日の作業にあたるだけではなく、事業者が環境整備と安全対策推進のための役割、責任、権限を明らかにすることが求められています。

生産管理に役立つ実践問題

1.つぎの文章のなかで誤っているものを選び、その理由も考えましょう。

①安全とは、100%不安のない状態である。
②安全管理とは、発生してしまった災害に対して、最善の対策をほどこす管理活動のことである。
③安全な状態を維持し、「不安」をとり除くことができれば、品質も生産性も向上させることができる。
④作業者自身の注意がしっかり行われていれば、安全衛生管理体制は築くことができているといえる。
⑤労働安全衛生法の要件は、「危害のを防止するための基準を明確化すること」と、「計画的な災害への対策を推進すること」の2つである。

2.つぎの文章の【 】にあてはまる適切な語句を答えましょう。

安全とは、【①】をさしている。
非安全な状態になりうる原因を、【②】という。
1972年に、安全で快適な職場環境をつくることを目的として【③】が制定された。

3.「安全」と「衛生」をそれぞれ、説明してください。

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5. 企業と環境問題

高度経済成長時代、特定の工場が大気や水質や土壌などの環境を破壊し、多大な被害を与え多くの住民が公害で苦しみました。その結果、法整備が進み、工場の有害物質の排出は厳しく規制されています。

しかし、地球温暖化、酸性雨、オゾン層の破壊などは、被害が地球全体に長期化間にわたって及び、加害者・被害者の関係も明確ではありません。

私たちの生活が環境へ与えている負荷や、私たちの工場に該当する環境法令を把握し、法令や規則を守って適切な対策をとることの大切さをおさらいしておきましょう。

5-1 企業が抱える環境問題とは

高度経済成長期には重化学工業が急速に発達し、各地で公害が大きな社会問題となりました。1967年に公害対策基本法が制定され、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭が典型7公害に定められ、規制をかける法整備が進みました。工場での生産活動が環境に負荷を与えないように、対策をすることが必要です。

地球規模あるいは地球的視野に立った環境問題は、加害者と被害者の区別がつきにくく、被害が次世代に及ぶ特徴があります。つぎのような地球環境問題の主なものについて、その原因と被害状況をきちんと知ることが大切です。

・地球温暖化(気候変動)
・天然資源の枯渇
・熱帯雨林の減少(森林破壊)、砂漠化、野生生物種の減少
・廃棄物の増加(越境移動)
・酸性雨、オゾン層の破壊、海洋汚染

5-2 工場の中の環境問題

私たちの日常の業務活動が、さまざまな環境問題を起こしています。しかし、適正な管理で、環境問題を引き起こすことを予防することができます。私たちの業務と環境への影響を理解しましょう。

私たちの事業活動が環境問題を引き起こすことを学びました。その環境問題に対応する主な法令を挙げると以下のようになります。

・大気汚染…大気汚染防止法
・水質汚濁…水質汚濁防止法
・水質汚染…下水道法
・騒音…騒音規制法
・振動…振動規制法
・悪臭…悪臭防止法
など

環境問題が深刻になるとともに規制も強化されています。自分たちの会社や工場が関連する法令を知り、何を守らなければならないのかを理解することが必要です。

生産管理に役立つ実践問題

1.典型7公害の中から、公害問題を3つ挙げてください。

2.地球環境問題の1つ地球温暖化についてつぎの文章の【 】にあてはまる適切な語句を答えましょう。

・地球温暖化は、地球の平均気温が【①】してしまう問題である。
・地球を取り囲んでいる【②】は、地表から宇宙へ放出する輻射熱の一部を宇宙へ放出し、一部を吸収し、地球の気温を生物が住みやすい温度に調整してくれている。
・地球温暖化は二酸化炭素の【③】がどんどん上昇し、これにより、熱を宇宙に放出することが妨げられるために起こるものである。

3.あなたの会社や工場での業務と環境問題の関係を考え、環境問題を引き起こしている業務(原因)と、引き起こす環境問題(結果)を3組挙げてみましょう。

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