やりがいマイスターモノジョvol.2

ものづくり現場で輝く女性たち「モノジョ」(=ものづくり女子)を紹介するこのコーナー。 今回訪ねたのは、建設機械や農業機械などのキャビン(運転席)を製造する共和産業。 ここで活躍する中村 眞凛さんと山越 愛美さんに、仕事のやりがいを伺った。
(2019年3月29日発行・広報誌「生産マイスターVol.2」より抜粋)
左/中村 眞凛さん
艤装製造部 艤装3係
2017年入社。工業高校出身。 艤装(組み付け)を担当
右/山越 愛美さん
購買部 購買課
2008年入社。商業高校出身。部品調達を担当
未知の世界に挑戦!

「皆がやらなさそうなことに先に気づき、自分からやるようにしています。周りを見る力ではだれにも負けません」(中村さん)
共和産業の製品のイメージからすると少し意外だが、同社には、多くのモノジョが活躍している。
中村 眞凛さんが担当するのは、製造ラインのサブ工程。メインのラインに流す前に準備が必要な部品を組む工程で、モニターやエアコン、ハンドルなどを取り扱う。地元の工業高校出身だが、機械は専門外。「ファッションを学び、卒業制作では洋服をデザインしました。学んだ分野とは異なりますが、ものをつくるのが好きなので興味を持ちました」と言う。
一方、山越 愛美さんは、10 年にわたって部品の調達を担当している。サプライヤーとの価格交渉など部品の購入に留まらず、コスト面を考慮した設計部門への提案や、図面を見て製造可能かの検討も行う。専門知識が求められるが、山越さんは商業高校出身。「正直、ものづくりにはそれほど興味はありませんでしたが、工場見学で社員の温かさを感じ、入社を決めました」。
社会貢献や自己の成長を実感

「私のモットーは『次工程はお客さま』。次の人にわかりやすい資料づくりを心がけています」(山越さん)
2人が楽しそうに仕事について語るのはきっと仕事に対して大きなやりがいを感じているからだ。
「1年前の大雪のときに活躍した除雪車が、自分たちがつくった機種だったんです。私の仕事は、重いものを持つ力仕事ですし、台数が多くて大変だと思うときもありますが、自分のつくったものが役に立っているのを見ると、やりがいを感じます」(中村さん)
「入社当初は、知らない言葉ばかりで伝言さえうまくできませんでしたし、図面の見方も一から教わりました。1つ仕事ができるようになると難易度の高い仕事を任されて、自分の成長を感じます。以前、新たな受発注システムの立ち上げにかかわったときには、担当に選ばれたこともうれしかったですし、そこで学んだことは今も役立っています」(山越さん)
着実に成長していく2人も、過去には失敗もあった。
「何も考えなくても、当たり前のように体が動くんです。でもそういうときにミスが出る。絶対にミスしたくないと思って、確認を何度も行うなど気をつけています」(中村さん)、「新たな仕事を任され始めた頃、その仕事を忘れて、部品の手配が漏れたことがありました。影響度が大きいものでしたが、上司や先輩に教えてもらいながら対処しました」(山越さん)
今後の目標は、「いろんなことに挑戦して、『サブ工程のことは中村に聞け』と頼られるようになりたいです」(中村さん)、「部分的な設計変更ではなく、新たに開発した機種の部品調達を担当するのが目標です。今はアシスタントとして勉強中ですが、知識を付け、主担当としてサプライヤーさんたちと一から検討できるようになりたいです」(山越さん)と、2人の挑戦はこれからも続いていく。

共和産業株式会社
1974年設立。建設機械、農業機械、産業機械などのキャビン製造の専業メーカー。石川県白山市の工場を拠点に、多種少量生産を行っている。ミニ建機のキャビンのシェアはトップクラス。
売上高:189億8,000万円(2018年10月期)、従業員:375人(2018年11月現在)
【写真】共和産業が製造するキャビンと取り付けた完成品の例

中村さん
自宅で
家で何か壊れたら、
身近にある工具を使って自分で直してしまいます。
親には『助かるわ』と喜ばれます。
山越さん
車に乗った時
クルマに乗った時、
『ここは、こういう機能なんだな』
と、イメージできるようになりました。

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